脾は少々特殊で、不調の根底にあるのは全て脾気虚です。脾気虚から悪化の仕方によって脾陽虚、脾不統血、脾気下陥、寒湿困脾、脾胃温熱の5つに派生します。まずは脾気虚について見ていきましょう。
脾気虚
脾の気賀現象している状態
全身の倦怠感 胃腸の不快感 慢性的な下痢 食欲不振 口内乾燥など
飲食の不摂生 過労などによって引き起こされる
簡単に言えば生命力が低下した状態ですね。かなり深刻な状態に見えますが、更に悪化すると様々な状態に変化します。
脾陽虚
脾気の温熱作用が低下した状態
脾気虚の症状に加え、虚寒の症状が出る
脾気虚が原因
脾不統血
脾の統血作用が失調した状態
脾気虚の症状と出血しやすい状態
脾気虚の悪化が原因
脾気下陥
脾の昇清作用が低下した状態
脾気虚に加え内臓下垂、めまいや立ちくらみなど
脾気虚の悪化が原因
寒湿困脾
水液が停滞して温邪になった状態
脾気虚+口渇 飲むと具合が悪くなる
脾の運化作用の低下
脾胃温熱
寒湿困脾の化火、温邪の感染
脾気虚に加え吐き気 口苔、口が粘る 飲みたくない
脾気虚によってどの機能に影響が生じたかによって違いはありますが、殆どは口や消化に係る部分に影響が出ます。そのため消化器官と口に影響が出た場合には脾を疑うのは一つ重要です。また、脾は水穀の精微を吸収する作用があるので、全身に広く影響が出るのも特徴ですね。もちろん全ての症状を覚える必要はありませんが、脾気虚の症状は覚えておくと症例検討や日常で使う機会が十分にあるはずです。