肺の不調は様々種類があるし、肺は西洋医学で言うところの免疫作用を担う衛気を養っているので、肺の不調からは外邪の侵入が伴うことが多く、容態は三者三様になります。そのため、肺の不調だけを学ぶことの意義は少ないですが、肺の特徴的な症状もいくつかあるので見ていきましょう。
まずは肺気虚と肺陰虚です。
肺気虚
肺気が現象して肺の生理機能が低下した状態
咳喘 息切れ 自汗 外邪の侵入が容易になる
慢性の咳によって肺が損傷したり、他の臓が原因で肺気が生成できないことが原因
肺陰虚
肺燥が進行して虚熱が発生した状態
乾いた咳 咽頭の乾き かすれた声 一般的な陰虚症状
肺の機能低下で津液が不足して肺燥して起こる
基本的にはこの2つの症状が肺のよくある状態です。またこれに付随して様々な外邪の侵入によって特有の症状が発生することもありますが、それは外邪を学習するときに学ぼうと思います。
最後に痰湿阻肺と例として肝火犯肺を少しだけ学びましょう。
痰湿阻肺
肺の慢性疾患
咳喘 多痰など
肺気虚などで生まれた湿が痰になり肺に影響する
肝火犯肺
肝で発生した火が逆上して肺を犯した状態
肝気鬱結の症状に加えて乾いた咳が出る
逆上した肝火が肺の粛降作用を停滞させてしまう事によって起こる
肝火犯肺は肝を原因として起こる咳の症状として有名であるので取り上げました。以前にも触れましたが、咳を起こすのはたしかに肺の失調ですが、その原因になりうるのは様々な臓であるということを覚えておいてほしいです。実際に咳の症状を訴える患者に対して、肺の失調だけに絞って考えるのは危険ですね。
このように肺の症状は咳などに現れますが、外邪の侵入によっても様々なので無理に覚えようとしなくても大丈夫ですので、どんどん次の勉強に移りましょう。