肝の基本機能は造血作用、疏泄作用です。古代中国人の思想的には蔵血のほうが優先されますが、現代の中医学的には疏泄の法を重要視されることもあります。ただ東洋医学の潮流的には、肝が血を蓄え、経脈の帰結の流量を調節していると考えるのが基本です。ちなみにここで人体の十二経脈は実際に中国に存在する河川と対応させているのでややこじつけ的な部分が存在しています。この十二経脈を調節する臓腑として肝が存在します。「人臥せば血は肝に帰す」と言われるように、就寝中は経脈の血液は肝に蓄えられ、起床すると肝から全身に血が巡る用に作られていて、これが肝の蔵血作用です。
次に全身の気の調節というのは、肺が中心的に担っていますが、肝もその役割を行っています。感は気血津液の流れを円滑にする役割があり、これが肝の疏泄作用そのものです。しかし、感情の乱れによって影響されやすいこともあり、肝の不調は多くが感情に左右されやすいという特徴があります。特にストレスやイライラは肝の不調の原因になりやすいです。
「涙は肝の液、体は筋に合し華は爪にある、目に開竅する」と言われるように、肝の不調は目や筋、爪に現れます。これは実際に奨励検討する上で重要になるのでよく覚えていくといいと思います。
西洋医学で学ぶ肝臓の機能とはかなり異なっているので、しっかり特別して理解することが重要になります。
肝の機能
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