それは恋とは呼べないないけれど
家族のいないマンションで一人暮らす高校生・黒瀬綾香は、孤独を強さだと信じて生きていた。そこに押しかけてきたのは、クラスのギャルグループの中心にいる広岡雪梅。テストの赤点を免れるため、半ば強引に家庭教師を頼みにきたのだ。 週に二回、向かい合うちゃぶ台。少しずつ見えてくる、互いの知らなかった部分。にぎやかな仲間に囲まれながら家に居場所を持てない雪梅と、孤独の中で何かを抱えたまま生きる綾香。似て非なる二人の距離は、気づけば取り返しのつかないところまで縮まっていた。 名前で呼び合うことさえできないまま、それでも離れたくないと思う。この気持ちに、まだ名前はつけられない。