三話目

「ちょっと、聞いてる?」 いきなり耳元で響いた桃花の声に驚かされる。 「そんな大きな声出さなくたって聞こえるってば…」 私の返答に、ため息一つ返す桃花。聞いてなかった私が悪いんだろうけどさ。 「そういえば、最近の晴翔はボーっとしてることが多いわね。口を開けば部活の話ばかりだし」 「そうかな」 「そうだよ。文化祭以来、口を開けば俊君やら大祐君やら。まあ部活でうまくいってるならいいんだけど」 ややぶっきらぼうに言い切る桃花。私が部活でうまくいっ

肝の不調

肝には蔵血と疏泄の2つの作用があるので、肝の失調で現れる症状は2つで共通の症状もあれば、異なった症状もあります。まずは先に2つで共通して現れる症状を見ていきましょう。 心の乱れ イライラ 津液の停 湿や痰が生じる 目が疲れやすい 爪が脆くなる よく起こるのはこの四症状で、どれも肝と関連性の高い臓器や器官の症状ですね。目や爪に症状があるとき、気分によって症状が移ろう場合は積極的に肝の異常を注視しましょう。 では蔵血作用に影響が出た時の場合を見ていきます。 肝の

気の不調

気にはどのようなトラブルがあるのか、そしてそれらでどのような症状を起こすのかを見ていきましょう。病は気からというように、気は様々な疾患の原因になるので重要です。 気の変調は主に気虚と気陥、気滞と気逆があります。 気虚 気陥 気の量が不足して機能低下を起こしている状態のこと 原因は脾胃の消化吸収の不調やストレス、大病で気が消耗されるなど 発汗異常や倦怠感、食欲不振や末端冷え性などになる 気を補う治療をする 気滞 気の流れが滞って鬱積した状態 原因は外邪による阻害

三話目

部活に少し慣れ始めた。冬の大会に向けての調整が進んでいる。きっと今回も俊君と大祐君はレギュラーに選ばれるだろうと先輩たちがささやいていた。一年生の誇りだ。 ただ、あの一件以降大祐君が一方的に俊君を敵視する状態が続いている。例えば大祐君がサーブ練習で狙い撃ちにしてサーブの邪魔をする。それをほかの一年生も便乗するから、俊君はサーブが打てない。 例えばスパイク練習で、俊君がボールを拾いに行った付近に大祐君がスパイクを打つ。俊君はボール拾いでなかなかス

三話目

高校の下駄箱に走りこむと、靴を履き替えてまた教室まで走った。二人が私に合わせてくれていることもあったけれど、三人で一緒に教室に滑り込む。 教室に入った瞬間、私は足が止まってしまった。勢いで教室に入ってしまったけれど、不登校だった人がこんな風に登場したらへんに思われるだろうかと考えてしまい、急に恥ずかしくなった。 「席こっち」 私の手が急につかまれて、教室の後ろの席に引っ張られた。連れられるがままに席に着くと、とりあえず荷物を置いて席に着いた。ハッ