一話目

今何をやっているんだろう。 遮光カーテンに包まれた薄暗い部屋でセミの鳴き声を聞いていた時だった。 吸い込まれるようにパソコンデスクの前に座ると、電源を付けていつものオンラインゲームにログインしていた。 ヘッドフォンをしてセミの鳴き声の代わりに、よりうるさいゲーム音で頭を満たした。ゲームのロビー画面にいる人たちは最近だんだんと人が減ってきていたけれど、今日は一段と多かった。普段は夜しか参加しない人も、今日は昼から参加していた。 今日ってそんな特別な日

プロローグ

白昼夢を捨てて目を開けば下から上にかけて赤から黄色のグラデーションが光る。目に涙がたまっては宙に放り出されていく。吸い込まれるように私は太陽に手を伸ばして呟いた。 ごめんなさい

エピローグ

「おはようございます」 「はい、おはよう」 元気に挨拶をする柳田君に軽く返事をして、今の時間を知る。一か月ぶりに仕事に復帰したせいで時間感覚がまだ慣れない。 ふと、いつもの癖のようにとあるホームページを開くと、新しい投稿がないかを確認してしまう。もちろん新しい投稿がないことを確認してから、最後の投稿にコメントをつける。 「世界一周旅行楽しかったよbyさとちゃん」 天国の翔にもきっと届くだろう。 ふとその上に別のコメントが付いているのが目に留まった。 「本

プロローグ

真っ白に仕切られた部屋の中 僕は一人問題集を開いてノートに文字を書きなぐる。 考えないようにしていても、頭の中で自己否定の渦が起こる 何のために勉強しているのか もっといい時間の使い方があるだろ どうせ医学部に受かったって 勉強が手につかないほどいらない思いが頭を埋め尽くしてしまったので、仕方なくパソコンを取り出してぶろぐをとうこうする。

プロローグ

僕は鳥が好きだった。 どこまでも空を自由に飛べて、美しいから。 けど、いつの間にか鳥が怖くなった。どこまでも僕を連れて行ってしまい、もう戻れなくなりそうだから。 ただ無意義に時が来るのを待つしかない僕は、そんなことを考えていた。