ん?僕に何か用かな? わざわざ僕のところに来るなんて、もしや彼女は答え合わせしてくれなかったのかい?まあ、あの子はあの子なりに頑張ってるんだから、そう責めないであげなよ。 あ、そもそも自己紹介していないのかな。どうも、僕は篁 瑠璃の先輩だった谷津 翔です。もとはと言えばオイラー部の部長だった人だから、少しぐらいうわさは聞いているんじゃないかな。 なんで、棒がこうやってあなたと話せているのかって?あぁ、それは数理論学における虚軸空間の存在が否定できないどうしようかな。 いつもならこんな風に授業を抜け出して部活に来ることなんてないんだけど、今日は禁忌を犯してしまった。なんでこんなことをしているかと言えば、今日雅君に教える内容は、私にとっても教えるのはかなり難しい内容だからだ。正直に言って、私の説明がいつものようにちゃんと伝わるとは思えない。なにせ、今日教えるのは高校の数学でも一二を争う難所の一つ、微分なんだから。 どうやって説明したら彼にちゃんと伝えられるんだろう。簡単な微分だけだったら、彼は「意外と夢って安いよね」 「いや、充分高いでしょ」 野恵と恵美と私の三人は前も後ろも人に囲まれながら、必死にゲートが開くのを待つ間、意味のない会話をしている。長蛇の列の前後に取り付けられたスピーカーからは、いかにも夢の中で聞いたようなどこかの国の音楽が辺りを包んでいる。どうも、夢はお金だけでなく礼儀正しさや忍耐力もないと味わわせてもらえないらしい。スクールバッグについているマスコットを思い出して、野恵たちに話しかける。 「三人でここ来るのいつ以来
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5 「久しぶり、どうしたんだよ髭なんか生やして。」 その声に俺は正直がっかりした。もっと聞き覚えのある奴らの声が待っていると思っていたから。正直顔も名前も思い出せない友人かも怪しい人だけが待っているとは思いたくなかった。それでもわざわざここまで迎えに来てくれた彼のために舌を噛みながら笑って見せる。 新幹線のホームから見た町の景色は3年前とあんまり変わっていなかった。デパートの垂れ幕が変わったくらいに見える。目を凝らせばもっと多くのものが変わってるは危ないに合うのが嫌なら、鍵をかけて部屋の中にいればいい。 裏切られるのが怖いなら、初めからだれも信用しなければいい。 反故にされたくないなら、約束をしなければいい。 そうすれば私は失望や悲しみを味わうことなく生きていける。 イヤホンから流れてくる聞き飽きた曲の一節にうんざりしながら紅茶をすする。 一人で過ごすには冬の夜は長すぎる。 ただ勉強をして、ご飯を食べて、お風呂に入って、また勉強をして。 繰り返しの日々に嫌気がさしたのを見透かしたかのように電話が鳴