崩れ落ちた日常の果てに

次の朝 僕は、いつもよりも少し遅めに起きた。徹夜した後の睡眠はしっかりとった。今更健康のためというのは間違っている気がするけど、少しでも長く生きるためだ。 ただ、ちょっと体に違和感も感じた。それは、これまでに感じてきた、鈍痛とは比にならないほどの痛みだった。僕の場合、本当に徹夜したら危険な病気だから、徹夜明けはつらくなって当然かもしれないけど。それでも、これまで徹夜したときには感じなかった、針を突き刺されて、引き抜かれたような痛みがした。 もう完

涙に値する過去

僕らは無言のまま、ただ道を歩き続けた。正確に言えば無言だったのは椿姫だけで、僕は頭の中が必至すぎて言葉が出なかっただけなんだけど。 自分の家に行くのがこんなに怖いと感じるなんて思わなかった。近づくだけでこんなに恐怖と後ろめたさに襲われるとは。自分が過去のことをを無意識に避けてしまっていたことをしっかり意識づけさせられた。 小百合さんと柳田医師に過去と向き合うように言われたとき、僕は必死に過去と向き合っているつもりだった。けれど、実際にはただひた

睨まれる非日常

僕らが家につく頃には少し日が傾いていた。小百合さんのことを少し心配しながら家に帰ったけれども、いつもと変わらない様子で出迎えてくれた。安心して僕らは自分の部屋に行くと勉強を始めた。 意外にも結構な時間を使ってしまったことがわかったので、焦りながら勉強を始める。学習計画帳を見るに、まだまだ勉強するべき内容が残っていた。木の遠くなるほどの量の勉強におののきつつも、決心して問題集を開く。 スマホのタイマーを作動させると、勉強を始めた。 正気に戻ったかの

答えてくれる三角比

次の日も、私はいつも通りオイラー部の部室に入り浸っていた。昨日のホワイトボードを眺めながら、きょう開設する内容を考えている。まあ、雅君が今日も来てくれることが前提なんだけれどね。そうだなぁ。今日やるんだったら… ガラガラ 「失礼します」 この声は、 「また来てくれたんだね。また適当に座っていいよ」 昨日来てくれた結城 雅君に違いない。丁度考え事をしている最中に入ってきたから、適当な扱いしかできなかったけど、昨日もあってるし大丈夫かな。さて

六話目

はっと目が覚めた。食卓の椅子に座ったまま寝ていたらしい。机の上に置かれたスマホを手に取って時間を確認すると、午前五時半を示している。もう朝の支度をする時間だ。 結局、昨日の午前一時ぐらいまでお母さんに電話をかけていたけどつながらなかった。留守番電話に伝言残したし、メッセージを送ったけど一向に返事はなかった。それでも焦燥間で電話をかけていたけど、いつの間にか眠気に襲われていたらしい。 いつもの癖のように惰性で学校の支度をする。ついでにお母さんに電