あのバレンタインの後 僕らは、これまでで最高の日々を送った。 僕らは、ともに第一志望の高校に合格できた。本番が弱い僕にとって、第一志望に合格できて、本当にほっとした。合格発表の後、彼方に報告しに行くと 「これで安心したよ」 と言っていた。そのあとに、二人で久々の焼き肉をして楽しんだ。 無事に進学先も決まり、僕らは三年生送る会、通称三送会に向けて頑張った。三送会の練習自体は、前から始まっていた。でも、受検が残ってる間はどうしても身が入らなかった。これで「そういうことだったのか」 僕の頭の中で、消え失せていた記憶が取り戻された。わからなかったこと、推測できなかった謎、そのすべてを埋めてしまうパーツが見つかった。ちょうどそれを見計らったように、病室の扉があいた。その先の人物は見なくてもわかった。 「そこまで読んでいたんだな、親父」 僕が声をかけると、二や着いた様子の親父が病室に入ってきた。何も言わずに僕の隣の椅子に腰かけると、僕のほうを向いていった。 「間違った選択肢をふんだんだな」 けらけらと笑いな次の朝 僕は、いつもよりも少し遅めに起きた。徹夜した後の睡眠はしっかりとった。今更健康のためというのは間違っている気がするけど、少しでも長く生きるためだ。 ただ、ちょっと体に違和感も感じた。それは、これまでに感じてきた、鈍痛とは比にならないほどの痛みだった。僕の場合、本当に徹夜したら危険な病気だから、徹夜明けはつらくなって当然かもしれないけど。それでも、これまで徹夜したときには感じなかった、針を突き刺されて、引き抜かれたような痛みがした。 もう完僕らは無言のまま、ただ道を歩き続けた。正確に言えば無言だったのは椿姫だけで、僕は頭の中が必至すぎて言葉が出なかっただけなんだけど。 自分の家に行くのがこんなに怖いと感じるなんて思わなかった。近づくだけでこんなに恐怖と後ろめたさに襲われるとは。自分が過去のことをを無意識に避けてしまっていたことをしっかり意識づけさせられた。 小百合さんと柳田医師に過去と向き合うように言われたとき、僕は必死に過去と向き合っているつもりだった。けれど、実際にはただひた僕らが家につく頃には少し日が傾いていた。小百合さんのことを少し心配しながら家に帰ったけれども、いつもと変わらない様子で出迎えてくれた。安心して僕らは自分の部屋に行くと勉強を始めた。 意外にも結構な時間を使ってしまったことがわかったので、焦りながら勉強を始める。学習計画帳を見るに、まだまだ勉強するべき内容が残っていた。木の遠くなるほどの量の勉強におののきつつも、決心して問題集を開く。 スマホのタイマーを作動させると、勉強を始めた。 正気に戻ったかの