高校の下駄箱に走りこむと、靴を履き替えてまた教室まで走った。二人が私に合わせてくれていることもあったけれど、三人で一緒に教室に滑り込む。 教室に入った瞬間、私は足が止まってしまった。勢いで教室に入ってしまったけれど、不登校だった人がこんな風に登場したらへんに思われるだろうかと考えてしまい、急に恥ずかしくなった。 「席こっち」 私の手が急につかまれて、教室の後ろの席に引っ張られた。連れられるがままに席に着くと、とりあえず荷物を置いて席に着いた。ハッ自分の部屋に帰ってきてから、やらなければいけない採点を始めた。早く寝ないと、明日の勉強に支障が出てしまうので、できる限り早くバツ付けをする。間違えた部分だけ印をつけておけば、採点には十分だし復習もしやすい。 今日は少し問題を解きすぎたのかもしれない。後悔してしまうほど、採点に時間がかかってしまった。八科目全部の採点が終わるころには、一時間近く立ってしまっていた。しかし、さっきまでの眠気は飛んでしまった。なぜなら 「この点数じゃまずいかもな」 目標「はぁ」 私は、いつものように朝の支度をしていたが、なかなか蓮が起きてくれない。全く、受験が終わったら、気が抜けたのだろうか。何度か起こしてみたのだが、朝ごはんを食べに来る様子はない。この調子だとちょっとまずい。何がまずいかといえば 今日は、バレンタインデーなのだ。 バレンタインだから、チョコを作ろうと思って予定を立てたんだ。朝起きて、早めに朝ご飯の支度を済ませておく。そして、蓮をとっとと病院に送りだす。病院に行く予定があることは、元から知ってい言葉に表せないような、もやもやを抱えたまま僕は矢田部家に着いた。ふと、矢田部家を見て、少し僕の家に似ていることに気が付いた。あまり意識していなかったけれど、家の作りや路地への向き、そして何より門の構え方が似ていた。どおりで僕はこの家が何となく落ち着いていると思ったんだ。 僕は矢田部家に帰ると、手を洗って自分の部屋に戻った。珍しく小百合さんは出かけているらしい。不思議に思ってスマホを見ると、小百合さんが家族用のメッセージで家を空けることを書いていつ以来だろうか。僕は悪夢を見ることなく睡眠から覚めることができた。この数日は亜空が薄まったという印象はあったものの、常にあの夢を見ていたんだ。しかし今日は一切その夢を見ることなく起きることができた。 「う~ん」 悪夢を見なかった事はいいことのはずなのに、どうもすっきりしない。昨日の昼寝で見た夢のせいもある。あの時に見た世界は、“僕"は結局何ものだったのか理解できなかった。謎を残したままいなくなられるほうがよっぽど困る。 と